サガフロンティア2 感想 あなたは、歴史の証人となる

ゲーム

今までプレイしてきたRPGで最も好きな作品を挙げるとすれば何でしょうか?

自分は1999年に発売した「サガフロンティア2」の挙げたいです。

まず率直に言うとこのゲーム、不満点を挙げるならキリがありません。

 

sagaシリーズの看板を背負っているにも関わらず自由度が非常に低いし、戦闘テンポも悪い、武器も使用回数があって一定回数使うと壊れる。など、前作サガフロンティアみたいなゲームを期待して購入し落胆した人は多かったと思います。

その一方で歴史を追体験できるシナリオ、水彩画調で描かれるグラフィックや浜渦氏によって作曲されたBGMなどサガフロ2にしかない魅力は非常に多く、初プレイから10年以上経った今でも、自分はこのゲームを愛してやみません。

2025年には待望のリマスター版も発売され、システム面の改善やHD化だけでなく、追加シナリオも多数追加されるなど、長年リマスターを待たされ続けたサガフロ2難民のアニマが浄化される事になりました。

何故、このサガフロ2と言うゲームがここまで自分に刺さったのか、レビューを通じながら語りたいと思います。

 

概要

サガフロンティア2はシリーズ8作目となる作品で1999年4月1日にプレイステーション用ソフトとして発売された。

様々な世界観が混合した前作サガフロンティアから一転、今作サガフロンティア2は中世ヨーロッパを舞台にした作風になっている。

長らく現行機でプレイできない環境だったが、2025年3月28日に、リマスター版が突如配信されswitch,PS5などの現行機でもプレイ可能に。

 

中世ファンタジーを基調とした世界観

今作は中世ファンタジーを基調とした世界が舞台。

sagaシリーズでは御馴染みの術ですが、今作サガフロ2では火の術で焚火を起こしたり水の術で水を恵んだりと、日常生活でも当たり前のように術が使われている術至上世界になっています。魔法が希少な存在だったFF6とは対照的ですね。

術を使うにはアニマって生まれつき人が持っている器みたいな存在が必要になるのですが、それとは対照的にRPGでは定番の鋼装備は術の効力を失わせてしまう事で人々から敬遠されているってのが本作の舞台設定です。

この「アニマと鋼」二つの存在が、サガフロ2のシナリオにおける重要なキーパーソンとなります。

 

水彩画調で描かれるグラフィック

サガフロンティア2が発売した1999年当時は3Dポリゴン全盛期でしたが、今作は2Dのグラフィックを採用しています。

マップの背景などは水彩画で描かれていて、温かみのある独特のグラフィックが印象的です。特に印象的な背景だったのが、PS版のパッケージ裏にも載せられている夜明けのワンシーン。

もう発売から何十年も経っているゲームのグラフィックで感動するとは思いませんでした。

 

浜渦氏の手掛けるBGMが、歴史ドラマに厚みをかける

サガフロンティア2の作曲を担当したのは、後にファイナルファンタジー13なども手掛ける事になった「浜渦正志」。今まで作曲を担当していた伊藤健司(イトケン)からの交代となり、BGMの方向性が大きく変わりました。

浜渦氏のBGMは主となるメロディをおよそ3つにまで絞り込み、特定の旋律を複数曲に渡って多用する事で統一感を生み出しつつ、幅広いバリエーションを持たせるという手法が取られていて、歴史を題材にした今作とマッチしています。

今作は戦闘曲を含めて全体的に穏やかな曲調のBGMが多いですが、BGMそのものが歴史を表現しているようにも感じますね。因みに自分はサガフロ2のBGMが好きすぎて、サントラまで購入してしまいました。

 

歴史を追体験する壮大なシナリオ

さて、本作の肝となるサガフロ2のシナリオ。

サガフロンティア2のシナリオは表の主人公である「ギュスターヴ編」と裏の主人公の「ナイツ家三代編」の二つの視点から約1世紀に渡って描かれ、大河ドラマのような重厚感がありました。

何世代にも渡って物語が展開されるのはロマサガ2も同様ですが、ロマサガ2はプレイヤー自身に展開が委ねられているのに対して、サガフロ2の物語は予め定められているのが特徴。

「あたなは歴史の証人となる」のキャッチコピーの通り、プレイヤーは1つの時代を生き抜いた人々の物語を眺める、歴史の俯瞰者となるのです。

今作ではヒストリーチョイスと言うシステムを採用しており、各年代のエピソードを追体験する方針となっています。物語は断片的に描かれていて、人によっては描写不足と感じるかもしれません。

ですが、歴史とは語らない事の方が多く、その多くは謎に包まれています。あえて描かない手法を良いと捉えるか悪いと捉えるかはプレイヤーに委ねられると思います。

 

ギュスターヴ編は、表の舞台を中心にシナリオが展開されます。

主人公のギュスターヴ13世は、術至上の世界でありながら術を持たずに生まれてしまい国から追放されてしまう事になります。その中で様々な苦難に遭遇しながらも、鋼と言う存在に出会って、やがて歴史に名を残す事になると言う、波乱万丈な人生を追っていく構成になっています。

またギュスターヴが歴史から退場した後も、物語が続くのが印象的でした。

 

裏の歴史であるナイツ編は歴史上では語られない裏の舞台でシナリオが描かれます。親子3世代に渡って因縁の敵を倒していくという、物語になっています。

シナリオがメインで探索要素が少ないギュスターヴ編とは対照的に、ナイツ編では探索やバトルがメインのシナリオとなっています。

実は今作って作中で年表を見る事ができて、この物語が迎える結末をプレイヤーは最初から知る事ができるのです。あらかじめ結末が分かった上で、ギュスターヴの生涯を追っていく…これって歴史そのものじゃありませんか?

 

リマスター版で改善された要素

2025年には26年越しにリマスター版が発売されました。値段は5,400円とややお高めですが、サガフロ2の不満点だった部分の多くが改善されていますので、これからサガフロ2をプレイする人は基本的にリマスター版の購入をおすすめします。

まずUIが一新され倍速機能が搭載され、原作の欠点だった戦闘テンポの悪さが改善されました。また戦闘全滅時のリトライが可能になったり、ラスダンで回復ポイントが設置された事で、育成不足の詰みリスクが改善されるなど、サガフロ2の不親切な要素の多くが払拭されたと言っても良いでしょう。

また、リマスター版では多数の追加シナリオが収録されています。

原作では描写の少なかったキャラのエピソードが描かれたり、ギュスターヴの○○が描かれたりなど、原作プレイ済みにとっては最高の展開でした。

ただリマスターではなく、サガフロ2完全版とも言える内容だったと思います。

 

総評 

歴史を俯瞰するシナリオ、水彩画調のグラフィック、浜渦氏のBGMなど唯一無二の魅力が多い一方で、自由度の低いゲーム性、爽快感の薄いバトルなど欠点も多く、好き嫌いははっきり分かれる作品だと思います。

やっぱりsagaシリーズとして出したのが当時批判を受けた原因でしょう。戦闘面の魅力は薄いので、従来のsagaシリーズをやりたい人にはおススメできない作品ですが、雰囲気やシナリオ重視の作品が好きな人にとっては素晴らしい作品なので、sagaシリーズファンじゃない人に勧めたいと言う変わったゲームです。

 

余談 サガフロ2をプレイするなら、アルティマニアも買おう

サガフロンティア2をより楽しみたいならアルティマニアは必須です。

絶版の為、紙の本の方は高騰していますが、リマスター版に合わせて電子書籍版が発売されて、容易に手に入るようになりました。

アルティマニアはただ攻略法だけでなく、各シナリオの解説や小説が付録として付いており、サガフロ2のシナリオをより楽しめます。

一言で言えばアルティマニアは、攻略本以上に歴史書みたいな価値があるので、全員買いましょう(強引)。