AIRと言う作品について

アニメ

「消える飛行機雲」のフレーズで有名な鳥の詩は、「AIR」と言う作品を知らない人でも聞いた事のある人が多いぐらいには有名な曲だと思います。

そんな主題歌で有名なAIRは2000年に発売されたゲームで、2005年にはあの京都アニメーションによってTVアニメ化もされました。

自分はこの作品をTOP10に入るぐらいには好きな作品ではありますが、かなり昔の作品なので絵柄の古臭さが気になったり、キャラの言動がやけに幼く感じたり、癖の強い作品ではあります。正直言うと、自分も絵柄の古臭さは気になる部分ではあります。

この記事はAIRの事をダラダラと語るだけなので、ネタバレ全開です。

 

夏の情景描写

AIRの舞台は1993年の海が見える田舎町。アニメ版は和歌山の美浜町がモデルになっています。

AIRを見てて感じたのは、アニメ越しに伝わってくる夏の暑さでした。アスファルトの陽炎、波の音、暑さで溶けていくアイス、青い空と白い入道雲。

AIRはよく「泣きゲー」と比喩される事が多いですが、それ以上に自分は「夏」と言う季節感をこれほど体現している作品って他にはないと思うぐらいに夏の描写が美しんですよね。

アニメを見ていると、あの頃の夏が自然と思い浮かび、不意に泣きそうになります。

 

圧倒的な楽曲群の完成度の高さ

元々key作品は音楽のクオリティの高さに定評がありますが、AIRに関しては群を抜いて印象に残るBGMが多かったです。特に鳥の詩と夏影は全体と見ても特に好きな曲です。

 

・鳥の詩

言わずと知れたAIRの主題歌。この曲を聴いてると、自然と過ぎ去っていく夏の切なさを感じてしまうのは自分だけじゃないはず。またLia氏による透き通るような歌声も素晴らしい。イントロからサビまで含めて全部大好きな曲。

 

・夏影

鳥の詩以上に好きなのがこの曲。観鈴が海に向かって手を広げている場面で初めてこのBGMが流れた時の衝撃は今でも残っています。夏の訪れを感じさせるようなイントロ、青い空と白い入道雲、夏の情景が自然と浮かんでくる名曲です。

あの頃の夏は二度と帰ってこない、そんな切ない気持ちになってしまいます。

 

・緑

AIRの中盤のsummer編で流れるBGM。AIRの海が見える風景とは対照的に、新緑に染まった夏の山々の風景が浮かび上がってきます。

 

・Farewell song

AIRのエンディング曲。明るい曲調の歌ではありますが、曲名を和訳すると「別れの歌」。別れはいつか必ず訪れてしまうけど、その時はせめて笑って見送ろう。そんなメッセージ性を感じさせる歌で、AIRと言う壮大な物語を締める歌にピッタリだったのではないでしょうか?

  

AIRが迎えた結末

AIRが最後に迎えた結末は、1000年続いた呪縛の解放と、その代償に観鈴の命はゴールを迎えてしまうという展開でした。今作の救いのない結末は発売当初は大きな賛否を招きました。

前作kanonは「奇跡」による救済があったのに対して、AIRではそのような「奇跡」は起こりませんでした。ただAIRと言う物語が背負った宿命は「1000年間に渡る因果」。奇跡と言う代物ではとても解決できない問題です。

少なくとも神奈視点で見ると1000年の呪いが解放される為、ハッピーエンドと捉えられますが、観鈴視点だと抗った末に待っていたのは「死」でした。

個人的に観鈴の死は、夏の終わりと掛けているようにも感じました。いつかは必ず訪れてしまう終わりにどう向き合うか、AIRが描きたかったテーマの一つなのではないでしょうか?

 

AIRとsummerpocketsの違い

2018年に発売され2025年にはアニメ化もされた「summerpockets」。サマポケも夏が舞台で、AIRと似ている部分が多いですが、この2作品を比較すると中々興味深いです。

 

まず、AIRは夏が舞台なのに対して、サマポケは夏休みが舞台になっています。

AIRが描いていたのは「夏」の概念そのものでした。それは人が決して手の届く事のない空、千年間の悠久と言える長い、長い時の流れも含まれています。一方でサマーポケッツは、「夏休み」と言うもっと身近で等身大のお話になっています。この夏に対する距離感がお互いに違うので、どちらも懐かしいと感じる作品でしたが、抱いた印象は別物でした。