山陰旅

今回の行先は山陰地方。 行きは節約の為に、高速バスで松江駅へ行く事にした。しかし、この日は平日。三ノ宮駅までは通勤ラッシュに揺られる事になり、出発前から疲労が蓄積されてしまったように感じる。

三ノ宮から松江までは約4時間。流石に特急よりはかかる時間も長いが、運賃は約半分。時間に余裕があるなら立派な選択肢。鳥取県に突入すると、伯耆富士の名で知られている「大山」の姿が。見る方角によって印象が変わるのも独立峰の魅力。

 

松江駅に到着。松江駅は城下町からはやや離れた場所にあり、松江駅のある場所は江戸時代までは湿地帯で何もない場所だった。

 

ここで昼食。米福の天ぷらとご当地メニューのシジミの味噌汁。夏バテ対策にシジミはピッタリ。天ぷらもボリューム満点。

 

松江城までは熱中症対策も兼ねてバスで移動。市街地を眺めながら、松江城へ向かう時に感じていたのが水路の多さ。松江は中海と宍道湖に挟まれた地形である為、城下町の整備で多くの水路が張り巡らされた。

 

松江城前に到着。やはりと言うか、松江城のお堀の美しさは随一。水郷都市の名前に相応しいだけある。左手に見える、県庁がある場所はかつては立派な御殿があった。

 

堀尾吉晴像。長らく秀吉に仕えていた吉晴だが、1598年に秀吉が死去してからは家康に接近し、関ケ原の戦いでは東軍に属し、出雲,隠岐の24万石を得た。しかし1611年に松江城が完成して間もなく、吉晴はこの世を去ってしまった。

 

大手門跡を越えて、二の丸へ。一際目立つ西洋基調の建物は「興雲閣」。天皇を迎え入れる為に建てられた建物だが、残念ながら実現する事は無かった。和洋折衷の建築様式は明治-大正期の特徴を強く感じれる。

 

二の丸の次は天守のある本丸へ。 松江城と言えばこの黒塗りの天守。

 

天守閣からは松江市街地や宍道湖も見下ろす事ができる。

 

帯曲輪は緩やかな坂道になっていて、石垣越しに天守の姿を伺える。ここから鉄砲を撃たれたらひとたまりもないだろうな。

 

松江城のお堀の周囲には武家屋敷が並んでおり、今でもその名残を強く感じれる。

 

武家屋敷跡に建つ松江歴史館では、松江城下が歩んできた歴史を学べる。松江が天然の要塞である事、水郷都市と言われるようになった所以などとても興味深い。

 

博物館に併設されている喫茶店でお茶をする。日本庭園を眺めながら、不昧公が起源の若草と抹茶を頂く。心、安らかなり。

 

ホテルにチェックインしてひと休憩した後は宍道湖方面へ。天神川も江戸時代以来の水路で、どちらかと言うと地元民の散歩コースの印象を感じた。

 

島根県立美術館は宍道湖の畔にそびえ立つ美術館。建物自体がアーチ状になっていて、外観からも美しさを押し出している。

 

この美術館の面白い所が、日没に合わせて美術館の閉館が決まっている事。この日の日没は19時過ぎだったので、なんと20時近くまで営業していたらしい。

 

宍道湖の夕日はとても美しい。西方に沈むので、まるで出雲神話の1シーンを見ているかのような気分になる。

 

帰り道、夕焼け。自分はこの1日が終わろうとしている空気感がとても好きだ。

 

黄昏る、3匹の鴨。街は人だけでなく、動物たちのドラマもある。

 

2日目、西に行くか東に行くか悩んだが鳥取方面へ行く事にした。石見銀山も興味はあったが、帰りが相当遅くなる懸念があったので。松江から米子まで約30分。車窓からは中海の風景が見えるが、街並みの景観も絶え間なく続き、流石山陰地方最大の都市圏なだけある。

 

米子駅に到着。米子は鳥取第二の都市で駅前はかなり立派。印象だけで言えば、鳥取駅前より都会的に感じる。

 

今回の目的地は米子城。市街地から見上げる石垣はご立派。かつては立派な天守もそびえ立っていた。

 

米子城の標高は90m。山頂まではちょっとした登山になる。本丸に辿り付くと、市街地からも見えた天守台がお見えになる。

 

天守台からの眺めは最高の一言。中海,日本海,米子市街、そして今回は曇って見えなかったけど天気の良い日には大山の姿も見る事ができる。自然環境が良いのか、ヒグラシの鳴き声も聴こえてきた。

 

米子からは再び在来線に乗って、倉吉方面を目指す。鳥取の田園風景や日本海を眺めながら電車に揺られる。この時間はとても至福だ。反対側なので、写真は撮れなかったが、風車を見て不意に「アネモイ」を思い浮かべた。

 

倉吉駅に到着。鳥取第三の都市なだけであって、そこそこ栄えている。体感で言えば、赤穂市ぐらいの印象。

 

昼食は倉吉名物の牛骨ラーメン。スープからは牛脂独特の甘みを感じる事ができて、白米と一緒に食べても中々美味しい。

 

倉吉市街は駅から3,4km離れているのでバスで移動。まず最初に訪れたのは、旧国鉄倉吉線鉄道記念館。無人の館内の中はとても暑かった。廃線を迎えて40年が経ったこの路線は、山守駅までを結んでいた。廃線跡、いつかは歩いてみたい。

 

倉吉を代表する景観として知られているのが、「倉吉白壁土蔵群」。白壁の蔵群と幅の広い水路の組み合わせはとても絵になる。

 

水のせせらぎを聴いて、少し暑さが和らぐ…なんて事はなく、汗はダラダラである。 だが、水の音と言うのは風情を感じさせてとても癒される。

 

大山牛乳を使用した喫茶店で一息。貸切でのんびりできた。

 

倉吉と言えば、20世紀梨。ってことで訪れたのは「なしっこ館」。全国唯一の梨のテーマパークであり、20世紀梨誕生秘話や梨の栽培過程などが展示されていた。

 

倉吉からはスーパーはくとで関西まで帰還。 最高速度130kmで駆け抜ける姿はまさしく怪物級。姫路よりは先の区間に入ると、徐行運転になり猫を被った状態になるのが…ね。