和泉,紀北の旅

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今回は大阪の南側のエリアを観光する事にした。

平日観光をする場合は、基本的に通勤ラッシュを避ける為に7時~8時代を避けるのがセオリー。

今回は6時発の新快速に乗車したが、運良く座席に座る事に成功。だが、しかし! 神戸駅から荒ぶり始める腹、芦屋駅を過ぎる頃には限界に達し、トイレへ直行。どうも自分は朝に弱い。

 

大阪駅からは環状線,南海電車を乗り継ぎ、住吉大社前駅にて下車する。既に時刻は7時台なので、通勤ラッシュ帯と思われるのだが、大阪市とは反対方向なので、そんなに車内は混んでいなかった。

住吉大社は駅から歩いてすぐ。立派な鳥居を潜ると、真っ先に目に付くのは急なアーチ状の形が印象的な「反橋」。橋の上から見下ろす池の景色は別格である。かつては住吉大社は海に接していたらしく、海の神社と呼ばれる所以を感じれる。

それにしても早朝の神社の雰囲気は別格だ。参拝者も少ないので、朝の澄んだ空気を味わいながら神社のエネルギーを感じる事ができた。

 

住吉大社駅から再び南海電車に乗って、更に南下。列車は大和川を通過する。大和川は摂津国と和泉国の国境である。今でこそ、同じ「大阪府」だが、かつては全く異なる地域だった。

住吉大社駅から列車を乗り継いで約30分弱、岸和田駅に到着した。

 

珈琲館「アラスカ」。事前リサーチしていた喫茶店は商店街の外れにあった。狭い路地に佇む昭和感満載の純喫茶。この隠れ家的な雰囲気が私の大好物でもある。

薄暗い照明の中、珈琲を飲み、読書をする。旅先で味わう日常ほど良いものは無い。

 

商店街を歩く。通勤ラッシュを過ぎた時間ではあるが、空きテナントが少々目立つ。あまりにもゆとりのある空間。人混みが嫌いな自分にとってはこの寂れた雰囲気は落ち着くのだが、町の人はそう言ってられないかもしれない。

岸和田名物のパンと言う文字に惹かれて、購入したのは「コーヒーランド」。フランスパンにコーヒークリームをサンドしたパン。シンプルな味と食感、故に病みつきになる。

 

駅から歩く事、約15分。岸和田城に着いた。岸和田城は和泉国唯一の近世城郭で、江戸時代における和泉国の中心地でもあった。

岸和田城の本丸には庭園が築かれている。この庭園は中国三国時代の八陣法がモチーフとなっており、1953年に作庭された。

 

現在の天守は1954年に再建されたもの。最上階からは大阪湾が見渡せる。江戸時代には湾岸線辺りが海岸だった。岸和田と言う地名も南北朝時代の支配者だった和田と岸をつけて、岸和田となった事から岸和田と海の関係性は深い。

 

岸和田城は紀州街道に隣接した場所にある。「大阪」と「和歌山」を結ぶ岸和田は紀州徳川家の参勤交代の交通路としても重要視されただろう。

 

岸和田と言えばだんじり祭りがとても有名。

岸和田城から歩いてすぐの場所に「岸和田だんじり会館」と言う博物館があり、祭りの歴史や実際に使用されただんじりなどが展示されている。

だんじりに刻まれた彫刻はとても精密で見応えがある。中でも最古のだんじりになると、安土桃山時代の形式のものまであるとか。だんじり祭りは江戸時代がルーツだが、初期の頃は今のような大規模な祭りではなかった。

 

岸和田を観光した後は、再び南海電車に乗って、和歌山方面へと向かう。

沿線からは関西空港、某大物ユーチューバーのオフ会聖地、大阪湾の海などバリエーション豊かな景色が続く。和歌山県の県境が近づくと、峠越えになる。和歌山だけでなく、奈良,滋賀と県境を山脈で隔てられている関西は平野が狭い。

南海電車の終点駅「和歌山市駅」に到着。JR和歌山駅と並ぶ和歌山市のターミナル駅で、中でも駅直結の和歌山市立図書館は最近開館されたばかりで、モダンな内装がとても美しい図書館。洗練された空間で読む本はとても落ち着く。

 

時刻は午後1時過ぎ。腹が減っては戦はできぬ。と言うことで、和歌山ラーメンを頂く。今回来店したのは、「まるイ 十二番丁店」。

ネギが超たっぷりだったが、濃厚なスープと肉厚のチャーシューと調和されて案外いい感じ。これは納得の名店。

 

紀州徳川家のお膝元である和歌山城を登城。とは言ってもこの城は3回目。見慣れた景色ではあるが、西の丸から眺める和歌山城は美しい。連立式天守の規模間がダイレクトに感じれる。

西の丸庭園は1973年に整備され、江戸時代の姿が蘇った。紅葉の名所らしく、夏場の今は人気を感じずとても静かだ。でも庭園は紅葉や桜の時期関係なく、風情を感じれる最高の場所だと思う。

本丸までの道のりを歩く。ツクツクボウシの鳴き声が木々の間から聴こえてくる。8月だとちょっと珍しく感じるこの蝉も、クマゼミが居なくなった9月になると彼らの独擅場となる。

和歌山城の天守は空襲で全焼してしまった。そんな中ある数少ない現存建築物である岡口門。和歌山城は空襲さえなければ、国宝級のお城だったのが、とても悔やまれる。

再建された天守からは、和歌山市の風景を一望できる。川、山、海、全てが凝縮された和歌山市は自然のロケーションに恵まている。

 

和歌山城を離れて、JR和歌山駅に来た。和歌山県最大の駅で人口約35万人の中核とも言える場所。駅直結の近鉄百貨店や複合施設のMIOなど、商業施設は比較的充実している。…が和歌山は車社会なのか、買い物客はやや少なく感じる。

今回購入したのは、期間限定出店してたミャクミャクのグッズと和歌山では有名な和菓子屋「駿駿河屋」の本ノ字饅頭。紀州徳川家が参勤交代の携行食として持ち歩くとなどとても重宝された。

まだ帰宅予定時間まで少し時間があったので、前から気になっていた貴志川線に乗車する事にした。乗り場は地下からじゃないと行けないので、初見だと少し分かりにくいかも。

 

駅から降りてすぐの場所にある日前神宮を参拝。

一つの境内に二つ神宮があるちょっと珍しい場所。市街地のすぐ近くとは思えない雰囲気。

和歌山駅を発って暫くすると、車窓に「紀の川」が映った。山からの恵みが一本の大河に集い、大海原へと流れていく。この風景には、人の営みと自然の愛おしさが凝縮されている。

阪和線を終え、いつもの乗り慣れた神戸線へと乗り換える。気がつけば、大阪駅は観光で来る場所ではなく乗り換えで使う駅になっていた。

退勤ラッシュに挟まれる中、黄昏に染まる六甲山を眺めていた。薄闇に染まる山のシルエット、薄暗い明かりが空と山の境界線を描いている。空は徐々に暗くなっていき、山麓に佇む高級住宅地が星のように照らされていた。

あぁ、これが日常の中にある山「六甲山系」の魅力なのだなとしみじみと感じていた。